ロミオとジュリエッタ 2月22日(土)から28日(金)at浅草東洋館劇場 【作・演出】望月 六郎 【出演】中田 有紀/ゆうき 梨菜/丸山 正吾/前田 寛之/ながしの 信之 他 チケット先行予約開始

望月版ロミオとジュリエット。お江戸に恋の花が狂い咲く。

ロミオとジュリエッタ

当劇団の演目は『たけくらべ』『浅草紅団』『春琴抄』『舞姫』と、日本の近代文学を発想の原点としたものが多い。そこで戦争の話が出てきます。その結果『難しい』とか『解らない』などのお声を観客ばかりでなく出演者から頂くこともあります。僕としては『難しくて解らない話』が好きなわけじゃなくて、その方がロマンチックに感じるんです。逆境とか過酷な状況に咲いた悲恋はドラマチックで・・・グッときますよね。そんな気持ちを伝えるにピッタリの話、昔から知ってました。ウィリアム・シェークスピアの『ロミオとジュリエット』です。
「ロミジュリ、やってやる!!」2年前、劇団員に宣言しました。けど壁は高かった。世界で最も有名で、突っ込みようのない完璧な物語です。正面から取り組んだところで手に負える代物じゃない。「うーんと、それじゃあ・・・江戸時代の浅草に舞台に替えてみるか」ありがちな発想を頼りにしたら、なんだか光が見えてきました。シェークスピアの生没年は一五六四年(ヒトゴロシ)一六一六年(イロイロ)。幾多の殺人が綴られた作品とピッタリと一致した上、江戸時代は一六〇三年に始まったのですから、天才はまさに時の人でした。
グレートブリテンが舞台となった悲劇、歴史物は『難しくて解らない』場合も少なくありません。しかしイタリアを舞台に選んだ作品は自由闊達で『ベニスの商人』は日本人好みの世話物だし『ロミオとジュリエット』は形を変えた心中物のようにも受け取ることもできますよね。鉄砲、耶蘇教、ギヤマンが辿り着いた以上、世紀の悲恋が極東の島国に届かぬはずもないのです。今も昔も世界はひとつ、そのうえ思いのほか狭かった。
新年早々来年のことを口にすると鬼に笑われましょうが、来春にはいよいよ二十回記念公演を控えています。今年こそ劇団ドガドガプラス飛躍できますよう皆様の御贔屓賜りたく存じ上げます。

望月六郎

望月六郎