たけくらべ 8月23日(金)から29(木)at浅草東洋館劇場 【作・演出】望月 六郎 【出演】中田 有紀/松山 クミコ/ゆうき 梨菜/丸山 正吾/J・橋口 裕/前田 寛之/ながしの 信之 他 DVD販売中

唐組、魂の競演。樋口一葉の傑作が望月流となって、元フランス座に蘇る。

たけくらべ

2011年八月ドガドガプラス第十回公演は『贋作・たけくらべ』だった。2011年は日本人にとっては忘れられない一年だ。
「演劇やってていいのかな?」「どんなものを見て貰えばいいのだろう?」誰もだけれど僕も七転八倒苦しんだ。
もともと『贋作・たけくらべ』の発想は「焼け跡横浜本牧に『TK Club』って名前の外人クラブがあったら面白いかな」ってダジャレでした。
二つのグループが対立してマブい女を取り合う。古い日活映画みたいでカッコいいかな、と軽く考えたわけです。
だけど2011年はムカムカして吐きたい様な毎日だった。ダジャレなんかじゃどうにも立ち向かえない気分だ。
そんな想いが鎮魂の物語に立ち向かう原動力になりました。自分で書くのは鼻白む思いだけれど、公演中「絶対再演して下さい」とかドガドガ応援団横浜国大室井教授に「劇作家が生まれたね」とお褒めの言葉を頂きました。
『アゲハ』と『サナギ』の姉妹は僕の作品中一番好きなヒロインです。
しかし『たけくらべ』永遠のヒロイン『美登利』がちゃんと書けなかった。
前回公演中からのずっと心残りでしたが、その想いからも解放されます。今回『アゲハ』を演じてくれるのは劇団唐組の名花『赤松由美!』同じく唐組岡田悟一も助っ人買って出てくれました。
敬愛してやまない演劇界の巨人、唐十郎の魂をドガドガプラス、思い切り注入して貰います。感謝!

望月六郎

望月六郎